土砂降りの雨が降る夜、敷き詰められた雲。
空なんて見えなくて。
今、同じようなものを抱え込んでいるだけに、
泣きたくなる。
苦しい記憶は思い出すほどに突き刺さって。
ああ、忘れてしまいたい。忘れてしまいたい、けど、
今は、まだ、浸っていたいから。
部屋の電気を消して、薄暗く。
アロマライトをつけて、仄明るく。
カーテンは開けたままで。
(晴れた空をすぐに見られるように、月を見つけられるように。)(その頃には、泣きやむから、)(だから今は、部屋の鍵は閉めたままでいさせて。)
20061102